中小企業診断士2次試験とは、一体何が難しいのか?合格者が6つの視点から解説!!

中小企業診断士の2次試験はなかなかの難関試験であり、1次試験の合格者のうち、平均20%程度しか合格することができません。

では、一体何が難しいのでしょうか??1次試験と異なる点などはあるのでしょうか?

今回は、試験に合格した後だからこそ分かる「2次試験の難しさ」について、3度の受験経験を持つサイト主が、6つの観点から解説していきたいと思います。

では、ご覧ください。

サイト主が考える、2次試験の難しさ

論理・思考力の割合が上がる

1次試験は基本的には「暗記が全て」であり、覚えていれば得点できて、知らなければ得点できないという試験でした。「覚えさえしていれば合格できる」という意味では、簡単な試験だったと思います。

一方で2次試験に関しては、その傾向が全く変わります。

覚えるべきことは、一次試験の知識の10%以下で済む一方、与件文や設問文を読み取りにおいては論理的思考を求められます。

2次試験では、「論理的に考えて解く」という要素が追加され、その力をメインで問われるようになるので、1次試験とは全く様相が異なる訳です。

受験生の多くがその違いに戸惑い、十分に対応できないままに2次試験を向かえ、不合格となってしまうのです。

解答は一つではない

中小企業診断士の2次試験に関しては、「正解」や「模範解答」の発表はありません。「出題の趣旨」というものが発表されるだけです。

平成30年度中小企業診断士第2次試験の出題の趣旨について

これは文字通り、「どのような意図をもって、その問題が出題されたか?」というものであり、そこから「正解の方向性」を感じ取るしかありません。

個人的には、読んでも「ふーん」という感じです。

つまり2次試験に関する参考書が複数存在していますが、そこで掲載されいる模範解答の内容は書籍の数だけ存在してしまうのです。回答の方向性の分かりやすい事例であれば良いですが、やや難しい事例問題の場合などは、参考書毎に解答の方向性が全く異なっていたりするのです汗

ちなみに、採点方法も分かっていません。

「〇〇というキーワードが入っていれば、プラス2点」というような加点式ではないかとは推定されていますが、正確には分かっていません。

この点も、2次試験の対策のしづらさに大きく関係してきますね。

合格点が分からない

中小企業診断協会の発表によれば、「得点率40%以下の科目がなく、平均点で60%以上得点する」というのが合格の条件になっています。

一見すると、「絶対評価」の試験のように感じられますが、中小企業診断士の2次試験は「相対評価」と推測されています。

まずは、2次試験の受験者や合格者数を見ていきましょう。

年度申込者数受験者数
(A)
口述試験
資格者
試験合格者
(B)
試験合格率
(B)÷(A)
H215,4895,33195595117.8%
H224,8964,73692792519.5%
H234,1424,00379479019.7%
H245,0324,8781,2201,22025.0%
H255,0784,90791591018.5%
H265,0584,8851,1901,18524.3%
H275,1304,94194494419.1%
H284,5394,39484284219.2%
H294,4534,27983082819.4%
H304,9784,81290690518.8%

2次試験の各科目の難易度は結構高いです。事例4に関しては、点数の分散が大きく、取れる人は取れるし、取れない人は取れないという試験です。にも関わらず、合格率は18〜25%程度と非常に安定しています。

これはおそらく、中小企業診断士の合格者の品質を保つために、調整しているためだと推測されます。

よって中小企業診断士の合格基準は、「平均60%以上で合格」ではなく「上位20%以上で合格」というような相対評価であると捉えた方が良いです。

特に事例4においては、受験者間の得点率の差が激しいため、相対評価が大きく影響してきます。

自己採点では50点程度だった受験生が、いざ得点開示をしてみたところ、80点以上の得点だったというケースも多々散見されます。おそらく、平均点が非常に低かったため、大きく補正がかかったのだと思います。

モチベーションが維持しづらい

前述の通り、中小企業診断士の2次試験には模範解答がなく、合格点も採点方法も分かりません。

過去問を解いて「ふぞろい」などで回答を確認しても、「自分の回答は何点なのか?」「正解と何が違っているのか?」などが分からないのです。また、自分の得点力は上がっているのかが実感しづらく、雲を掴むような勉強になってしまいがちです。

するとどうなるかと言えば、勉強へのモチベーションが下がります

特に独学の方は、モチベーションが下がりやすいです。「自分の勉強の方向性は正しいのか」と自問自答してしまって、本気で勉強に取り組めないという状態に陥りやすいんですよね。

個人的な意見としては、不合格となった方は知識や論理力がないというよりも、試験対策の途中で心が折れてしまって、対策が不十分なまま試験を向かえてしまったというケースが殆どのように思います。

そんな事を偉そうに書いている私自身も、モチベーション管理に何度も失敗しています。

私は2次試験を2回不合格になっていますが、いずれも落ちるべくして落ちています。モチベーションが上がらず、全然勉強出来ていなかったのです。

そもそも、2次試験受験の資格を持ちながら、2次試験の受験をしなかった年もあります。試験当日まで、モチベーションが保てなかったのです(診断士仲間からは、「あり得ない」といまだに怒られます笑)。

このように、2次試験には「モチベーションを削ぐ要因」が複数あり、試験の難易度を見えないところから上げているのです。

ゆるすけゆるすけ

2次試験の最大の関門は、モチベーションの維持。独学組は特に注意が必要!!

解答時間が短い

各事例問題は、制限時間80分という制限がありますが、正直全く時間が足りません。ちなみに、80分の時間の使い方としては、以下のような流れになります。

  • 冒頭文読む
  • 設問文読む
  • 与件文読む
  • 回答根拠を抽出する
  • 各回答の方向性について、一貫性を確認する
  • 回答を記述する
  • 見直しを行う

80分の中では、上記の7ステップを順番に行なっていく訳ですが、特に「回答根拠の抽出」や「一貫性の確認」の作業には時間がかかります。回答の方向性が、全く分からないことも多々あります。

「回答の記述」についても、制限字数が非常に厳しいため、過不足なく回答根拠を盛り込むことは簡単ではありません。回答を書いている途中で字数が足りないことに気づき、回答を全て消して書き直すというのも有りがちですね笑

字数としては、設問5問で計500〜800字くらいの回答ですので、決して多くはありません。しかし、初見の問題を試験本番という緊張感の中で解くので、ミスや漏れも起きやすいです。

「時間との戦い」という側面の強い試験であり、試験難易度を上げる大きな要因になっています。

ゆるすけゆるすけ

試験時間は、本当にあっという間に終わってしまいます。短い時間で、いかに効率的に点を取るかというのが2次試験!!

解答根拠がやや不明瞭である

2次試験の特徴の一つとして、「回答根拠が不明瞭な問題が出題される」というものが挙げられます。

問題は、与件文や設問文を参考にして解く訳ですが、必ずしも回答根拠が設問文に示されていなかったり、「少し論理が飛躍しているのではないか」という回答が正解とされていたりします。

特に、この傾向は事例1「人事・組織」に多いです。中でも、H24年度の事例1は、根拠の曖昧さや論理の飛躍が強く、高得点が非常に難しい印象です(いまだに納得できていない問題があります笑)。

また、事例4の「財務会計」特有の話としては、「計算の前提条件が書いていないため、解釈によって答えが複数存在する」というものがあります。

「計算問題なのに答えが二つって、一体どういうこと・・・」と思ってしまいますが、事実なんですよね。この辺は、診断士試験の良くないところだと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

実際に2次試験の問題を解いたことがないと、分かりにくい点も多かったと思います。

ですので、2次試験対策を開始してすぐの時期に、またこの記事を読んでみて欲しいです。きっと、情報の吸収量が全く違うと思います。

2次試験は、決して簡単な試験ではありません。その特徴や難点を知った上で、戦略的に試験対策に取り組んでいきましょう。