中小企業診断士2次試験|記述問題で論点を外さないための設問文攻略!!

中小企業診断士の2次試験は記述試験ですが、模範回答は存在しません。 各予備校が出す模範回答においても、全く違う内容で発表されることが少なくありません。

こうした環境下で問題を解くことが避けられない中、受験者として出来ることは、「設問文の内容や意図を丁寧に読み解き、正解と思われる部分を与件文から拾ってくること」しかありません。

というわけで今回は、「設問文の攻略」だけに絞り、出題者の題意を外さないためにはどうしたら良いかを解説していきたいと思います。2次試験の得点力に直結する内容となっていますので、是非何度も読み返して欲しいと思います。
では、早速内容に入っていきましょう!

設問文に対する認識を改める

まず、設問文に対する認識について確認していきましょう。

その認識とは、「設問文は与件文の一部」であるということです。 特に設問文には、驚くほどストレートに重要なことが書いていたりします。

例えばよくあるのが、「A社の社長は〇〇という考えの元、××という施策を行ってきたがうまくいかなかった。こうした事情を踏まえ、中小企業診断士として、100字以内で回答しなさい」のような設問です。

回答において絶対に外してはいけない情報である「社長のビジョン・考え方」が明確に述べられています。

この内容は、この設問にだけ関連するのではありません。その他の全ての設問においても、このビジョンや考え方をベースとして回答していく必要があるのです。

ですので、設問文の内容それ自体が、与件文の一部として重要なメッセージを持っているという認識を持ってください。

設問文の類型の把握

さて、設問文を読む際のスタンスを理解したところで、設問にはどのような類型があるのかを把握していきましょう。

様々な切り口が存在すると思いますが、私が考えるのは以下の7種類です。設問文を読んだら、まずは以下のどれに分類されるかを把握し、何を回答しなければいけないのかを理解しましょう。

  • (1)知識回答型→その名の通り、知っていれば解ける問題。2次試験で必要とされる知識量は1次試験の10分の1くらいなので、確実に回答したい(肌感覚)。難易度は、低めであることが多いので、なるべく時間をかけないように解く。
  • (2)与件抜粋型→回答根拠となる場所さえ特定できれば、字数以内に書き写すのみ。難易度が低いことが多いので、ここもあまり時間をかけない。
  • (3)メリット・デメリット型→知識回答型と与件抜粋型のハイブリッド的な性格をもつ。与件文や設問文の前提条件を丹念に把握しつつ、知識で押し切る。
  • (4)アドバイス型→与件文や設問文の制約から離れすぎないように注意する。アドバイスのストックを準備しておく(そんなに種類はない)。回答根拠が薄いケースも多々あり、自信を持って回答することが難しく、難易度は高め。
  • (5)アイディア型→アドバイス型に似ている。事例2のマーケティングに多い。与件文や設問文の制約から離れすぎないように注意する。よくあるアイディアをストックしておけば、発想力等は殆ど不要。こちらも、回答根拠が与件文や設問文で判別しづらいケースが多々あり、難易度は高め。
  • (6)与件類推型→事例1に多い。丁寧な与件文の読み込みが必要で難易度が高いケースが多い。回答の優先度は後回しにして、回答できそうな設問から解くのがオススメ。
  • (7)その他→グラフ等を見て読み取る設問等。初めて出題されるような出題形式も最近は増えている。他の受験生も、自分と同じように初見だということを思い出し、冷静に対応する。

最初のうちは、その設問がどれに分類されるかが、よく分からないと思います。 ですので、試験時間等は気にすることなく、じっくりと解いてみることから始めましょう。

回答レベルを明確化する

設問文の類型を把握した後に行うべきことは、回答レベルを明確にすることです。 例えば、以下のような点に気をつけて設問文を読むようにしましょう。

  • 戦略レベルなのか?戦術レベルなのか?
  • 時制は過去か?現在か?未来か?
  • 未来であれば短期か?中長期か?
  • 企業一般の話か?A社の全社レベルの話か?事業部レベルの話か?


設問で問われていることを俯瞰し、何について回答するべきかを外堀から確認していくような作業です。この作業も最初は大変だと思いますが、慣れてくれば自然とできるようになります。

制約条件を確認する

制約条件というのは、例えば以下のような事項です。

  • 〇〇字以内で、
  • 〜を考慮して、
  • 〜という方法以外に、
  • 〜と比較して、
  • 〜という制度のメリットとデメリットに触れながら、

「これらの事項を考慮するのは当然じゃないか!」と感じた方も多いと思いますが、驚くほど多くの受験者がこれらの制約を無視した回答を行います。

出題者側が、複数考えられる選択肢を絞り正答に至る道筋を整えてくれているのに、それを無視したら得点が取れなくて当然ですよね。 制約条件に、丸をつけるなどして、絶対に見落とさないようにして下さい。

回答のフレームワークを確認する

回答は、出題者や採点者とのキャッチボールです。「yesですか?Noですか?」と聞かれれば、「Yes」または「No」以外の回答はあり得ません。「なぜですか?」と聞かれれば、「〜から。」と回答するのが基本です。

これも当たり前のように感じられるかもしれませんが、本当に多くの人が実践できていません。

たとえ、内容的にどんなに良いことを書いていたとしても、回答のフレームワークが間違っていると、「この受験者は、回答するべき内容をちゃんと分かっているのかな?」と採点者は感じてしまう可能性が高いです。

また、採点者はおそらく数百人の回答を採点しています。

記述試験の採点は、非常に神経を使う作業であり疲れていることが想定されるので、すっと理解しやすい「採点者フレンドリーな回答」を心掛けましょう。

回答を記述する際のテクニック

最後に、実際に回答を記述する際のテクニックをいくつか紹介します。

まず前提として、「採点は加点方式である」ということを想定しています。 公式には採点方式は公表されていない訳ですが、「〜という内容の記載があれば5点」というような加点方式であることが推測されており、各予備校やふぞろいシリーズなどでもそのような仮定を行なっています。

ですので、「制限字数内により多くの要素を記載すること」が部分点を稼ぐ最善策な訳です。特に、回答根拠が不明瞭であり、何を書いたら良いのか分からない問題ほど、より多くの回答要素を詰め込み、1点でも部分点を勝ち取ることが合否に直結するのです。

というわけで、記述回答における文字数削減の方法をいくつか紹介しておきます。

  • 複数回答する場合には、①、②、③を使う
  • 不自然でない範囲で、体言止めを活用する
  • 数字は1マスに2桁記載する
  • 極力漢字を使う
  • 文字数削減になるキーワードを覚える

短縮キーワード代表例も、記載しておきます。

  • ロイヤルティ→愛顧
  • コンフリクト→軋轢
  • キャッシュフロー→CF
  • 増加する→嵩む
  • 補填する→賄う
  • コミュニケーション→意思疎通
  • チャレンジ→挑戦
  • モチベーション向上を図る→士気向上を図る

こうした涙ぐましい努力によって、もう一つ追加で回答要素を盛り込みましょう。

終わりに・・・

いかがでしたでしょうか。

まさか、設問文攻略だけで3,000文字を超えるとは思っていませんでしたが、それだけ奥が深いということです(綺麗にまとめたつもり)。

冒頭でも記載した通り、2次試験の得点力に直結する内容ですので、是非何度も読み返してエッセンスを習得して下さいね。