中小企業診断士|「経済学」という異質な1次試験科目の勉強法と付き合い方

このサイトを運営していて、しばしば寄せられる質問の中に、「1次試験の経済学をどのように勉強して良いか分からない」「言っていることが全く理解できない」といった意見が寄せられます。

時間も60分試験であり、1次試験の1科目に過ぎない訳ですが、「経済学・経済政策」という試験科目には、

  • 一体どのような特徴があるのでしょうか?
  • 他の試験科目は、何か違いがあるのでしょうか?
  • 試験対策は、他の教科と一緒でも良いのでしょうか?

早稲田大学の経済学科卒であり、それなりに経済学を知っていると自負しているサイト主が、解説していきたいと思います。

とその前に、1次試験と2次試験の出題科目を確認

科目名重要度必要時間タイプ2次試験
企業経営理論140時間暗記
財務・会計200時間理解
運営管理140時間暗記
経営情報システム120時間暗記×(少し)
経済学・経済政策低〜中200時間理解×(少し)
法務120時間暗記×
中小企業政策80時間暗記×

経済学・経済政策の難しさを見ていく前に、1次試験の各教科の難易度と必要勉強時間、2次試験に出題されるか否かを見ていきましょう。

まず、1次試験は7科目であるのに対して、2次試験では3科目しか対応がありません。

というのは、2次試験の4教科はⅠ「人事・組織」Ⅱ「マーケティング」Ⅲ「運営管理」Ⅳ「財務会計」という構成なのですが、ⅠとⅡはどちらも1次試験の「企業経営理論」に含まれているからです。

つまり、1次試験7科目中4科目については、1次試験を突破さえしてしまえば、「用済み」という教科なのです。

そして、経済学・経済政策もその4科目に含まれる為、基本的には1次試験合格の為だけに勉強する科目になります。

本題に戻って・・・

話を本題の経済学・経済政策に戻します。

では、なぜ経済学・経済政策の扱い方が難しいかというと、「本来はメイン級の教科であり、ちゃんと理解するのに時間がかかるから」です。

サイト主から見た1次試験の経済学・経済政策は、「大学学部レベルで習う範囲とほぼ一緒か、ファイナンス分野がある分だけむしろ範囲が広い」という印象です。

ゆるすけゆるすけ

証券アナリストや不動産鑑定士等では、経済学は論述試験の科目にもなっています

早稲田大学では経済学を最低2年、ちゃんとやると4年かけて勉強するわけですが、一方で中小企業診断士1次試験においては「7科目中の1科目」という位置付けであり、しかも1次試験でしか勉強しないという位置付けです。

また、経済学という科目は、「理解が重要な教科」です。暗記の要素もありますが、考え方や理屈が重要が分からないと、全く解けないという類の教科です。

文系科目というよりは、むしろ理系科目に近い分野であり、解ける人は高得点を出せる一方で、苦手な人は全く得点が取れないという科目です。

ですので、「科目の難易度が高く、時間を取ってじっくり勉強しないと理解が難しい一方、そこまで時間をかけて勉強することができない」というジレンマが発生するのです。

これが、経済学・経済政策という科目の異質さです。

覚えさえすれば解ける」という性質を持つ経営情報システム・法務・中小企業政策とは、そもそもが異なっているという訳です。

経済学・経済政策との付き合い方

理系脳を持っている方や経済学をちゃんと勉強してきた方は、経済学を得点源として、1次試験を有利に進めてもらえれば良いと思います。特にアドバイスもありません。

一方、数字や理解科目が苦手な文系寄りの方に対しては、経済学・経済政策と付き合う上でのヒントを、2つお伝えしたいと思います。

マクロ経済学の分野で稼ぐ

ミクロ経済学の領域は、基本的には理解と計算の領域です。1次試験は選択肢があるとはいえ、結構難しいと思います。

一方、マクロ領域については経済統計、国際収支、ケインズモデルなどについては、暗記の割合が相対的に大きいです。必要とされる理解力や数学力も、ミクロ経済学よりは重要度が下がります。

ですので文系寄りの受験生は、「暗記中心で得点を稼ぐ」という作戦が有効になるかと思います。

理解が難しい分野は捨てる

1次試験というのは、60点をいかに効率的に獲得するかという「点取りゲーム」です。ですので、理解に時間がかかる分野や難しい分野はすっぱりと諦め、後は鉛筆を転がす、というのも立派な作戦です。

個人的に難しいと思っているのは、スルツキー分解、独占・寡占、解放マクロ経済モデル、ソローモデル辺りでしょうか。

特に、スルツキー分解(価格効果、代替効果、所得効果)などに関しては、経済学部生ですら、しっかりと理解出来ている人は少ないです(それが出来なくて単位を落としている人も結構います)。

ですので、理解しようと何度かトライして、それでも理解できないようであれば、上記の領域は捨ててしまっても良いと思います。

そして浮いた時間を使って、暗記領域で確実に点が取れるよう学習する方が、より合格に近づけるはずです。

まとめ

以上、経済学・経済政策という科目の特徴や、その科目との付き合い方について解説してきました。

経済学は、「単なる1次の60分試験」と舐めていると足切りになる。しかし、勉強時間はあまりかけられない。

だからこそ、その特徴を理解した上で戦略を立て、効率的に合格を勝ち取って欲しいと思います。頑張ってください。