中小企業診断士2次試験は筆記試験ですが、正答が公表されておらず、対策が非常に立てづらいことで有名です。特に独学派の受験生は、暗中模索の中で2次試験対策に挑むわけです。

そんな独学派にとって、唯一にして最大の武器が「ふぞろいシリーズ」です。
独学派で使っていない人はいないと言っても過言ではない参考書ですが、果たしてどのような内容の参考書なのでしょうか?また、どのように活用していけば良いのでしょうか?

「ふぞろいシリーズ」を引っさげ、独学で2次試験に3度挑戦した末に合格したサイト主が、その使い方について解説していきます。

ふぞろいシリーズの種類

ふぞろいシリーズには、二つのタイプがあります。

1つ目が、「ふぞろいな再現答案」です。

これは、ある事例問題に対して、合格者がどのような思考プロセスで回答に至ったか、試験中に何を考えていたか、どのような時間配分で試験を行ったか、実際にどのような回答を書いたか、などが掲載されている本です。

各事例に対して、3人くらいの合格者の方が、上記の事項を克明に解説しています。

2つ目が、「ふぞろいな答案分析」です。

2次試験における正答が公表されていませんので、100人以上の合格者・不合格者の回答データを集め、合格者の多くが回答している要素やキーワード等を分析しています。また、不合格者の回答に見られる特徴などを、各設問ごとに掲載しています。

サイト主は、どちらの「ふぞろい」も利用したわけですが、主に活用したのは「答案分析」ですね。「どういう要素を記載すれば高得点につながるか」ということを主眼に勉強していましたので、「答案分析」の方が活用頻度が高かったです。

「再現答案」については、合格者の80分の使い方を知り、自分なりのフォームを確立するために利用していた感じです。

普通の書店にも置いてありますのでどちらも読んでみて欲しいですが、「答案分析」はマストで購入、「再現答案」は余裕があればという感じで良いと思います。

ちなみに、各書籍には過去問2〜3年分しか掲載されていませんので、過去問を遡りたい方は「ふぞろいな答案分析2」「ふぞろいな答案分析3」「ふぞろいな答案分析4」を購入することをお勧めします(私は買ってました)。

「ふぞろいな答案分析」の使い方

回答の方向性の確認

中小企業診断士の2次試験においては、「複数の模範回答が存在するので、論理性さえ間違っていなければ得点がもらえる」ということが言われたりします。予備校によっては、そのように教えているところもあります。確かに、回答が複数あると思われる問題があることは事実です。

しかし、「ただ一つの正答が存在する、という認識の下で問題を解くべきだ」と私は思っています。

ほとんどの問題においては、合格者の回答内容は概ね一致しており、回答根拠として与件文から抽出した箇所などもだいたい一緒です。特に、高得点者ほど回答内容が類似しています

ということは、与件文や設問文を通して、出題者側も一つの方向へ誘導していると考えるのが自然です。そして、合格者は「出題者の意図に従って素直に誘導される力」が高いです。

ですので、合格者(中でも高得点者)がどのような回答プロセスをたどったのか、どのような要素を盛り込んで回答しているかを研究していくことが重要となってきます。

回答の方向性を確認するに当たっては、「答案分析」のみならず「再現答案」も活用していきましょう。

回答の書き方を学ぶ

合格者の回答と不合格者の回答は、結構明確に違います。何が違うかと問われれば、書いている内容が違うのはもちろんなのですが、合格者の文章は読みやすく、論点がコンパクトにまとまっているのです。

つまり、合格者は「国語力」というか「回答記述力」が高いのです。ですので、限られた字数制限内で「合格者がどのように運用しているのか」を「答案分析」を使って体得していくのです。

特徴を抜粋すると以下の通りです。

  • ①、②、③などを用いて、冗長にならないようにしている。
  • 問われていることに対して、正面から答えている(なぜか?→〜から)。
  • 適当な字数で文章を区切っている。
  • 主語を明確にしている。
  • 体言止めを上手く活用し、字数削減を図っている。
  • 短縮ワードを活用している(キャッシュフロー→CF)。

こうした技術によって、採点者に読みやすい文章に整えているだけでなく、より多くの回答要素を詰め込むことでプラス1点をもぎ取っていることが分かります。

合格者の回答を見ていると、様々なテクニックを駆使していることが分かりますので、そのスキルを1つでも多く盗めるようにしていきましょう。

フレーズを学ぶ

語弊を恐れずに言えば、「このフレーズを書けば良い」というようなものが各事例問題にはいくつか存在しています。 例えば、事例1(人事・組織)と事例2(マーケティング)で言えば以下のようなものがあります。

  • 内部資源の有効活用
  • 組織活性化の実現
  • 組織対応力の向上
  • 外部環境への対応
  • 顧客満足の向上
  • 顧客対応力の強化
  • 顧客との関係強化
  • 顧客ニーズへの迅速な対応
  • 固定客化
  • 競合との差別化

こうしたフレーズを覚えておくことによって、回答の切り口をストックすることができます。また、いずれも端的な表現なので、ダラダラと文章で表現するよりも伝わりやすく、大幅な文字数節約にもなります。

「答案分析」には、合格者の実際の回答が複数掲載されていますので、こうしたフレーズを見つけて自分のものにしていくというのが、非常に有効な対策となります。

アイディアや施策のストックを増やす


特に、事例2のマーケティング問題においては、「アドバイス」や「アイディア」を問われる問題が出題されます。

例えば、H27年度の事例2では、設問のほとんどがアドバイス・アイディア系の問題でした。中でも「商店街に誘致した食品小売店が定着してくれるためには、どのようなイベントを実施するべきか?」という問題については、本文中に多少の制約はあるものの、自分でイベント内容を考える必要がありました。

こうした設問は定期的に出題されるわけですが、試験当日にその場で思いつくというのは結構難しいです。まして、試験中の緊張している最中では、アイディアは出てこないリスクがあります。

ですので、「答案分析」を活用し、合格者がどのような施策を記載しているかを把握し、ストックすることをお勧めします。アイディア力の勝負ではなく、記憶力の勝負にするのです。 ちなみに、食品関連のイベントの例には以下のようなものがあります。

  • 試食会の実施
  • フードエキスポやグルメイベントの開催
  • 料理教室
  • 食育教室
  • 収穫体験
  • 産地訪問ツアー
  • 朝市、夜市

これらは、私が今思いついた訳ではありません。ただ「答案分析」などを活用して、イベントネタをストックしていただけです。こういう使い方ができるのは、複数の合格者の答案が掲載されている「ふぞろい」の強みですよね。

まとめ

以上が、「ふぞろいシリーズ」の使い方の解説です。

独学で中小企業診断士の2次試験に合格したいのであれば、「ふぞろい」を徹底的に使いこなす以外に道はありません。この記事で記載している活用法は一例に過ぎませんが、一人の合格者が紆余曲折を経て辿り着いた勉強法です。

是非、参考にしてみてください。